エッセイ優秀賞


1995年エッセイ・優秀賞

『保険は私の人生応援歌』

愛知県 小川ちはるさん
29歳 (主婦)


  生命保険に入る時、みんな何を基準にプランを選ぶのだろう。
 26歳で結婚退職して専業主婦になったばかりの私が選んだプランは、夫とほぼ同じ保障内容・積立額の終身保険という賛沢なものであった。我が家の台所事情を知っている親や友人からは「無理しなくても夫の保険の家族特約で入った方がいいんじゃない」とか、「医療保険に入ったほうがいいんじゃない」などといろいろ心配されたのだが、そのプランのまま押し通してしまった。でも、それには私なりの大切な理由がある。
 私はこの保険にふさわしい人間になりたかった。やむをえず退職したけど、子育てが一段落したらもう一度仕事を持って生き生きと働きたい、保険料も自分で払えるようになりたい、そう思ったのだ。
 あの保険契約の時からすでに3年がたつ。子供が生まれ、その子ももうすぐ一歳になる。そろそろ仕事を探したいけど不況だから見つかるだろうかと尻込みしそうな私の耳に聞こえてくるのは、あの愛しい私の保険の人生応援歌である。『こら、なんのために私に入ったの!一緒に頑張ろうよ!』

寸評
審査員・内館牧子
 小川さんの考え方に、私は目からウロコが落ちました。 「私はこの保険にふさわしい人間になりたかった」という考え方、これはすごい。生命保険に対して、こんな考え方があったんだなァ。頑張って下さいね!!