市場リスクを有する保険商品への加入にあたって留意すべき事項

「市場リスク」を有する保険商品は、株価・金利・通貨など、金融商品市場における相場等の指標にかかる変動により積立金額が増減する保険商品であり、年金・保険金・給付金・解約返戻金等の額が払込保険料を下回る場合もあります。

主な保険商品や留意点等はつぎのとおりです。ご加入にあたっては、商品の仕組みや契約内容について、十分にご理解・ご納得いただくことが大切です。

1. 主な保険商品のご説明

変額個人年金保険

1.概要

変額個人年金保険は、株式や債券等を中心に資産を運用し、その運用実績によって年金額や解約返戻金の額が増減する個人年金保険です。

一般的に解約返戻金には最低保証がありませんが、死亡給付金額、年金原資の額や年金原資を基に計算される年金額等については最低保証がある商品とない商品があります。

年金を受け取る期間、年金の種類、保険料の払込方法により、いろいろなタイプがあります。

なお、一般的に、契約継続中には保険契約関係費や資産運用関係費等、また解約時には解約控除等の諸費用が発生し、積立金から控除されます。

2.年金受取期間

年金を一生涯受け取るタイプと一定期間受け取るタイプがありますが、主な種類はつぎのとおりです。

  • ア.

    保証期間付終身年金

    保証期間中(一般的には5・10・15年)は被保険者の生死に関係なく年金を受け取れ、その後は被保険者が生存している限り年金を受け取れます。保証期間中に被保険者が死亡した場合、ご遺族は残りの保証期間に対応する年金、または残りの保証期間に対応する年金の現価に相当する金額を一時金で受け取れます。

  • イ.

    確定年金

    被保険者の生死に関係なく契約時に定めた一定期間(一般的には5・10・15年)、年金を受け取れます。年金受取期間中に被保険者が死亡した場合、ご遺族は残りの期間に対応する年金、または残りの期間に対応する年金の現価に相当する金額を一時金で受け取れます。

3.年金の種類

毎年受け取る年金額については、つぎの2つのタイプがあります。

  • ア.

    固定型

    毎年一定の年金額を受け取るタイプです。毎年受け取る年金額は、年金受取開始時点の年金原資の額によって決まりますが、全期間にわたって一定額となります。

    • 保証期間中は第1回年金年額と同額の年金が受け取れ、保証期間経過後は受け取る年金額が毎年一定額ずつ増えていくタイプを取り扱う生命保険会社もあります。
  • イ.

    変動型

    毎年受け取る年金額が増減するタイプです。年金額は、年金受取開始後も運用実績によって増減します。

【変額個人年金保険の仕組図】

<10年保証期間付終身年金(保険料一時払い、年金額一定タイプ、死亡給付金最低保証あり、年金原資最低保証なし)の例>

  • 年金原資が払込保険料を上回った場合
年金原資が払込保険料を上回った場合
  • 年金原資が払込保険料を下回った場合
年金原資が払込保険料を下回った場合

積立利率変動型個人年金保険(市場価格調整(MVA)付)

  • 加入時より年金原資についての最低保証があるものの、市場金利に応じた運用資産の価格変動を解約返戻金額に反映させる仕組みの個人年金保険です。
  • 年金受取開始前の積立期間中に解約された場合、解約返戻金額が市場金利に応じて計算されるため、払込保険料を下回ることもあります。

【積立利率変動型個人年金保険(市場価格調整(MVA)付)の仕組図】

【積立利率変動型個人年金保険(市場価格調整(MVA)付)の仕組図】
  • 年金受取開始前に解約した場合
【積立利率変動型個人年金保険(市場価格調整(MVA)付)の仕組図】※年金受取開始前に解約した場合

外貨建保険

  • 保険料の払込みや保険金・年金の支払いなどの金銭授受を、米国ドルやユーロ等の外貨で行う保険です。
  • 投資対象国の経済状況を反映した運用成果が期待できますが、為替リスクがあります。
  • 保障内容により様々なタイプの外貨建保険があります。主な例は下表のとおりです。
タイプ 保 障 内 容
終身保険タイプ 被保険者が死亡された場合に死亡保険金を受け取れます。死亡保障は一生涯続きます。
養老保険タイプ 被保険者が保険期間中に死亡された場合には死亡保険金を、満期時に生存されていた場合には満期保険金を受け取れます。
個人年金保険タイプ ご加入時に定めた年齢から年金を受け取れます。
がん保険タイプ 被保険者が、がんにより入院したり、所定の手術を受けた場合に、給付金を受け取れます。