情報・資料

ニュースリリース



〜社債市場の健全な発展と活性化に向けて〜

平成11年4月16日

 生命保険協会(会長: 吉田紘一 住友生命社長)では、 平成7年度より、機関投資家の立場から、魅力ある社債市場の形成に向けて、現状および問題点を認識したうえ、今後の課題と提言をとりまとめ、発表しております。

 今年度は、近年の社債市場に対する関心の高まりから、これまで注目されることの少なかった制度面での問題が指摘されていることを踏まえ、例年に比して範囲を絞り、財務上の特約自由化による影響、社債管理会社、流通市場の活性化に向けて、の3項目について調査を行うとともに、要望・提言をとりまとめました。

 なお、社債市場の健全な発展と活性化に向けた意識の浸透を図るなどの観点から、発行登録制度を利用している企業および関係団体等に対して本発表資料を送付しております。

 

98年の社債市場[資料編]/Microsoft(R) Excel 5.0/95ファイル



社債市場の現状と課題について(要旨)

◇財務特約の自由化による影響

  • 財務特約の機能は元来、債権の保全回収機能であるが、特約の自由化以降、市場関係者の共通認識が醸成されぬまま多様化が進んでしまった結果、社債契約内容の不透明さを拡大させる弊害を生んでいる。
  • 自己責任原則への転換が叫ばれる中、投資家は多様化した特約の差異について、自らのリスク認識のもとプライシングに反映させることが求められているが、そのためには発行体の積極的な情報開示が大前提となる。
  • また、一部の証券会社については、十分な内容説明を行わぬまま過熱感を煽るような販売も見受けられるが、販売に際しての投資家へのリスク説明の徹底が必要である。
  • 特に特約の文言についてはその定義が統一されておらず、投資家の正しいリスク認識の妨げとなっていることから特約の用語整理、類型化についての対応が必要である。

◇社債管理会社について

  • 現在FA債が主流となっている背景として、社債管理会社の負っている法的(商法)責任の重大性が設置コストを高止まりさせていることが挙げられる。
  • しかしながら、ここ数年の、メインバンク指導下のデフォルト回避的な市場運営から、自己責任原則のもとデフォルトを許容する事後処理的市場運営への転換に伴い、社債管理会社に期待される役割は、債権保全のためのモニタリング機能から、社債権者間の利害調整を含めたデフォルト後の債権回収機能へと変りつつある。
  • 従って、商法の強行法規性の緩和により、債権回収機能の責任のみを負う新しいタイプの社債管理会社の設置を認め、コストを削減するとともに、FA条件を厳格化することによって、社債管理会社の設置を促すことを提案したい。
  • また、法改正までの経過措置として、格付が一定以下になった場合に社債管理会社を設置する旨の条項を社債契約に盛込む等の方策も考えられよう。

◇流通市場の活性化に向けて

  • 現在、社債の流通市場については発行市場ほど大きな拡大が見られていない。原因として、ヘッジ手段や有取税等制度的な問題もあるが、それ以上に、証券会社、発行体、投資家ら市場参加者の意識が重要である。
  • 即ち、証券会社に対しては、低格付社債を中心とする流通市場のマーケットメイクの充実、店頭基準気配価格の精度向上、クレジットアナリストによる投資情報サービスの充実等が求められる。
  • また、発行体に対しては投資家を市場に呼び込むための積極的な情報開示が最重要課題である。
  • 一方、流通市場が拡大しない原因として、投資家自身のリスク許容度が小さいという問題もあり、これに対しては、社債の審査・運用体制の充実に向けた取組みが必要である。
  • 更には、低格付社債の発行・流通の拡大に向け、CBO(社債担保証券)のような仕組み債の発行や、低格付社債を対象としたハイリターンの投資信託の開発等、個人資金の取込みを視野に入れた動きも考えられよう。
 
以 上

 




生命保険相談所のご案内