| わが国の65歳以上人口の総人口に占める割合は昨年末で22.8%に達し、過去最高を更新しました。平均寿命が伸びる一方で合計特殊出生率は低水準で推移しており、世界に例をみない少子高齢化の進展は、本格的な人口減少社会を到来させようとしています。
少子高齢化の進展による人口構造の変化は、国民生活に大きな影響を与えるとともに、社会保障制度の持続を困難とすることが懸念されています。例えば、今後約50年間に、生産年齢人口は2005年度比でおおよそ半数程度になり、中高齢者の単身世帯の割合は更に上昇すると指摘されています。生産年齢人口の減少は、消費市場の縮小をもたらし、社会保障制度の持続可能性を困難とする要因となります。また、単身世帯においては世帯員相互の支援を期待しにくく、単身世帯の割合の上昇は、国民生活のスタイルそのものを変化させる要因となります。
多くの方が指摘するように、少子高齢化・人口減少のトレンドは、今後も継続すると思われます。しかし、社会経済や国民生活は人口構造だけで決まるものではありません。変化に対する的確な対応、即ちこれらのトレンドを正確に認識し、それにふさわしい社会の実現を目指すこと、或いは少子化の潮流の緩和・解消を目指すこと等により、必ずや豊かな国民生活が確保されると確信しております。
生命保険事業には、国民生活の安定を支える社会保障システムの一翼を担うことにより、その社会的役割と責任を果たす責務があります。少子高齢化の進展により、公的保障を補完する生命保険の重要性が益々高まるなか、生命保険に対する信頼は、より一層確かなものでなければなりません。
また、今後、国民一人ひとりの自助努力の重要性が増していくなか、本年3月、所得税法が改正され、当会の長年の要望である生命保険料控除の拡充が実現いたしました。生命保険文化センターが実施した調査では、約65%の方が生活を切りつめてでも私的な生活保障の準備が必要であると感じる一方で、例えば約75%の方が、老後保障・介護保障について充足感を感じられていません。今般の税制改正がこうした方への支援となることを期待しております。
生命保険は相互扶助の仕組みに基づく生活保障の手段であり、少子高齢化・人口減少の進展による社会経済・国民生活一般に対する懸念は、生命保険事業そのものに対する懸念でもあります。生命保険協会としても、こうした環境下における生命保険の在り方を検討し、率先して対応に取り組む必要があります。
生命保険事業に課せられた社会的役割と責任を果たし、現在および将来にわたり、国民の皆様のご期待に応えるため、今後1年間、以下の3つの課題に重点的に取り組んでまいる所存です。 |