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生命保険協会長就任にあたって(所信)

2018年7月20日

2018年7月20日

一般社団法人 生命保険協会

会長 稲垣 精二

Create a Brighter Future

~安心と希望に満ちた未来を切り開く~

生命保険協会は今年で創立110周年という一つの節目を迎えます。明治41年に発足して以来、関東大震災や世界大戦等、激動の中を国民とともに歩み、国民の生活を支える基盤たり得るための取組みを進めてまいりました。

激動の時代を経て、第二次世界大戦の終結後には生命保険協会として11月を「生命保険の月」と定め、生命保険の奨励に向けた活動を展開する等、遺族補償の提供を進めるとともに、お預かりした保険料の国内企業への投融資を通じ、戦後復興に貢献してまいりました。その後も、阪神・淡路大震災や東日本大震災等、列島を揺るがす災禍の中にあっても常に国民に寄り添い、生活を支えるという我々の役割を発揮すべく取り組んでまいりました。

近年は急速に進む少子高齢化等、社会環境の変化をとらえ、社会保障制度の持続性を高めるための提言や保険教育の推進を行ってまいりました。また、株式価値向上に向けた取組みを通じて、対話の活性化等による中長期的な企業価値向上の促進等、株式市場の活性化に貢献しております。

このような取組みの結果、現在、生命保険会社は、年間約20兆円に及ぶ保険金等をお支払いする等、社会保障制度の一翼を担う社会基盤として重要な役割を果たすとともに、約380兆円の総資産を保有する長期安定資金の供給者として、わが国の経済成長に貢献しております。

こうした中、わが国の未来を見据えると、人生100年時代と言われる超長寿社会の到来、人口減少といった大きな社会環境の変化に加え、テクノロジーの飛躍的な進歩等により、生活環境や働き方、生き方が変化、多様化していくことが想定されます。

このような環境のもとで、国民一人ひとりが、変化をとらえて自らの将来を描き、その描いた将来の夢や希望を実現していくために、自助の重要性がこれまでになく高まってきているものと考えております。

今後も生命保険業界が社会保障制度の一翼を担う社会基盤として、そして機関投資家としての役割を発揮し続けていくために、生命保険協会の110周年を契機に次の10年、そしてその先の未来を見据えて、自助の推進や経済成長への貢献等に向けた、これまでの取組みを更に拡充し、これからも国民一人ひとりが安心と希望に満ちた人生を過ごしていけるよう取り組んでいきたいと考えております。こうした思いを込めて"Create a Brighter Future"「安心と希望に満ちた未来を切り開く」をキャッチフレーズに、以下の3つの活動に重点的に取り組んでまいります。

1. Create the Pathway to a New Era ~人生100年時代を切り開く~

人生100年時代とも言われる長寿化の進行やこれに伴う働き方や生き方の多様化が想定される中、自らの生き方に合った適切な備えといった、自助の重要性がこれまでになく高まってきております。このような状況を踏まえ、生命保険協会は、国民一人ひとりが自らの将来を描き、実現に向けた準備を進めていくために必要な知識を身につけていけるよう、生命保険文化センターと協力しながら、業界一丸となって金融リテラシー向上に資する教育活動を展開する仕組み等を検討してまいります。

加えて、人生100年時代を見据え、特に生きていくうえでのリスクに備える必要性の高まりを踏まえて、医療・介護分野において必要となる自助のあり方についての検討を進めてまいりたいと考えております。

更に、国民一人ひとりが必要とする自助の準備を支援・促進していくために、生命保険料控除制度について、引き続き拡充を要望してまいります。

社会保障制度の一翼を担う生命保険業界として、こうした取組みを通じ、自助・共助・公助のベストミックスの構築と、社会保障制度の持続可能性向上に貢献してまいりたいと考えております。

2. Create a Sustainable Society ~持続可能な社会を切り開く~

今後、少子高齢化と人口減少が更に進展していく中にあって、人生100年時代を安心と希望に満ちたものとしていくためには、将来にわたって持続可能な社会を構築していくことが重要です。

こうした中で、生命保険協会としては、ESG投資の観点も踏まえ、将来の社会、環境等も見据えた持続可能な経済成長への貢献に向けた取組みを進めてまいります。

また、Society5.0といわれる超スマート社会においては、人工知能等の新しい技術を活用しつつ、様々な分野でのICT化を推進していくことで、人生100年時代における健康寿命の延伸といった社会課題を解決していくことができる可能性があります。生命保険協会では、こうしたデジタル社会の到来という社会環境の変化を活用し、お客さまの利便性の向上や健康寿命の延伸に向けた役割を果たすことで、持続可能な社会の構築に貢献できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。

3. Create Peace of Mind ~安心への道を切り開く~

人生100年時代を見据えた自助の重要性がより一層高まる中、自助の担い手たる生命保険業界として、確かな安心を提供し続けていくためには、自らその事業・サービスを強化していくための基盤整備も必要です。そのためには、会員各社のお客さま本位の業務運営の一層の推進が欠かせないものと考えております。こうした観点から、引き続き、せいほ意見交換会や「消費者の声」事務局の運営、金融ADR制度等を通じて、会員各社による消費者目線に立った経営と持続的なPDCAサイクルによる更なるお客さまサービス向上を支援すべく、取り組んでまいります。また、高齢者に配慮した取組みについては、自主ガイドラインのフォローアップを通じて、引き続き会員各社における高齢者対応の底上げに取り組んでまいります。

加えて、わが国の生命保険事業の特性を踏まえた国際金融規制や国際会計基準、国内規制のあり方等について検討を進め、積極的に意見を発信してまいります。

なお、生命保険協会は、かんぽ生命における業務範囲の拡大や加入限度額の引上げ等について、中長期的に消費者利益を向上させるためには公正な競争条件の確保が不可欠であるとの考えのもと、市場への影響等を見極めつつ、必要に応じて意見を表明してまいります。

以上、協会長就任に際し、所信の一端を申し述べました。生命保険協会として110周年を迎えるこの1年、自助の推進、持続可能な社会の構築への貢献等を通じて安心と希望に満ちた未来を切り開いていくために、現状の課題と正面から向き合い、その解決に向けて、諸取組みを進めてまいります。一層のご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

以 上

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