エッセイ優秀賞 |
結婚したのは三年前。新しい生活の楽しさ、それだけで日々を過ごしていましたが、そんな私たちがこれからの生活について初めて真剣に話しあったきっかけが生命保険でした。 「結婚したのだから保険くらい見直さないと」という母の言葉に昔加入した保険の証券など取り出して読んではみたものの、書いてある事柄が何を意味するのかさえよくわかりません。雑誌を買い、二人で勉強しました。 最初はどの保険会社がいいか、掛け金が安いのは、などを話していたのですが、そのうちに何かが違うことに気づきました。検討していてもどこか他人事のような、しっくりこない感じがするのです。そしてわかったのは保険を考えるには人生設計が必要だということ。私の仕事はどうするのか、子供は、家は…。そういったことを話し合ってこれからの生活を具体的に描かないと、必要な保険がわからず話が先へ進まないのです。 この保険の見直しをきっかけに、たくさんのことを話しました。これからの夢、現実、しなければいけないこと、贅沢はできないこと。ふたりの生活がおままごとではなく「人生を一緒に歩む」ことだと気づかせてくれたのは「生命保険」です。 あれから三年がたち、あの時一生懸命考えたふたりの生活はおおむね順調です。そろそろ次の夢を話し合う時期かもしれません。 |
審査員・市川森一 |