エッセイ入選


1995年エッセイ・入選

『私は、やっぱりこれ(\)よりこれ(夫)』

東京都 池上純子さん
35歳 (主婦)

 『亭主元気で留守がいい』『耐えてきた、そういう妻に耐えてきた』『夫、逆さにすれば\』
 妻の言い分・夫の言い分さまざま…ちなみに我が家のことではありません。
 我が家といえば、夫は毎晩タクシーでご帰館、朝も早よからシャワーで気合い、妻「何時に帰って来たの?」 夫「言っても寝る時間は、増えません」、妻「今どんな仕事をしているの?」
 「言っても仕事は減りません」と夫。夫の遅いのを良いことにたまには夜遊び朝帰り、どっちが早いか競争だ、けれど…・夫の好む和食の朝食は、いつもの時間に食卓に。すれ違い夫婦のつじつまは、ここでピッタリ…?
 そうそう、そんな我が家の大事件、仕掛人はもちろん妻…。60歳までの定期付終身保険を解約し大型の終身保険に変えたのです。夫が先か、妻が先か、そんなの決まってますよネーなんて…。せっかく終身にしたんだから60歳まで元気に働いてネ。もし私の方が早そうだったら解約して旅行にでもいきましょうか-…。
 最近ちまたでは、"含み損"だの"予定利率の引き下げ"だの寒々しい議題ばかり。半世紀ぶりの保険業法とやらの改正も私たちの味方になるようお願いしますネ。
 『神様!どうぞ…-我が家…じゃない私の財産をお守りください』 私は、やっぱりこれ(夫)よりこれ(\)  
    ホント いや ウ・ソ。