中学校・高等学校向け

中学校・高等学校教育に関わる先生方へ
教材・授業例を紹介します。

中学校向け教材

中学校 社会科の保険教育関連資料

中学生が社会科(公民的分野)において「私たちと経済」を学ぶ際に社会保障の意義や保険の役割について理解を深めることができる教材です。

授業等でご活用いただける資料ダウンロード

「『社会における企業の役割と責任』保険会社って何をしているの?」

当教材は、中学校の先生や文部科学省・厚生労働省のご意見を伺い作成しています。

保険会社って何をしているの?

活用事例

教材をどのように活用するかの授業展開例のご紹介

・2017年12月5日 江東区立第二亀戸中学校 仲村秀樹先生

連絡先(ご意見・ご質問など)

教材をお使いになってのご意見等を下記まで
ご連絡ください。

(一社)生命保険協会 企画部企画グループ
e-mail: education@seiho.or.jp

中学校の授業展開例

教材「『社会における企業の役割と責任』保険会社って何をしているの?」作成にあたって

仲村秀樹 教諭

江東区立第二亀戸中学校
仲村秀樹 教諭

中学校学習指導要領(社会科・公民的分野)の「2 内容」「(2)私たちと経済」「ア 市場の働きと経済」における「企業の役割と責任」の学習指導において、「社会における企業の役割と企業の社会的責任、社会貢献」などの学習内容を生徒に実感を伴った理解をさせることは難しい。特に、その学習内容としての5点(①人間に役立つ商品やサービスの創造、②市場における公正な経済活動の行使、③消費者、株主や従業員の利益の増進、④公共の利益の増進への配慮、⑤企業の将来性)を捉えさせることは容易ではない。本教材を使用することで、生徒が「企業の役割と責任」の内容理解を図ることが容易となる。

TVコマーシャルなどで様々企業(会社)があることは知っていても、そのことと生徒の日頃の生活実感が結びついているわけではない。本教材は、TVコマーシャルでよく目にする保険会社の事例を通して、「企業の役割と責任」について理解を深めることができる教材である。将来、生徒が自らに起こる可能性がある問題事例の解決策を考察するという学習を通し、実感を伴って理解することができる構成となっている。

また、「リスク社会」における人々のあり方としての「自助」に関する理解にも資することができる教材にもなっている。

マニュアルでお勧めする授業展開例

※右にスクロールしてください

  時間 学習内容(○)・学習活動(☆) 指導上の留意点等(ワークシート等(◇)) 評価
事前学習 -

○会社(企業)の仕組みやその役割、社会的責任に興味を抱き、関心を持つ。

☆知っている会社(企業)について、その会社(企業)のホームページ等を参考に調べ記入した事前学習シートを持参する。

  • ・1週間前に、TVコマーシャル等で知っている会社(企業)について、その会社(企業)のホームページ等を参考に調べ、事前学習シートに記入させ、持参させる。

◇事前学習シート

 
導入 10分

○企業の役割と責任の学習を行うに当たって、他者の考えを知り、自分の考えを深める。

☆自分の調べた企業(会社)について、事前学習シートを資料としてグループ内で発表する。

  • ・これからの学習に対する見通しをもたせ、興味・関心を喚起し、学習の目当てを自覚させる。
  • ・企業の役割と責任、その果たす意義について考え、その過程などを分かりやすく表現している。(思考・判断・表現)
  • ・企業の役割と責任に関する学習の展開として、保険会社の果たす役割と意義について理解する。(知識・理解)

☆よい企業(会社)とはどのような企業(会社)なのかを考える。

  • ・事前学習の発表内容を踏まえ、自分なりによい企業の条件を考えさせる。
  • ・いわゆる「ブラック企業」や「ブラックバイト」などの問題性等をヒントに考えさせる。

◇事前学習発表シート

展開 30分

○企業の役割と責任の視点からよい企業を知る。

○「自助」の1つとしての民間保険の意義を捉える。

☆よい企業(会社)について考えるきっかけとして保険会社の事例を知る。

☆次のリスクの時どうするか考える。

  • ・20年後の将来、重い病気(ガンや心臓病など)やケガのため、仕事を休んで入院し治療しなければならなくなった。
    (今後の入院治療費や生活費(家賃や食費等)をどうするか)

☆リスクに対応するために必要な保険を提案し、保険会社の役割と意義を知る。

  • ・TVコマーシャルなどを視聴させるなどして、リスクへの対処の仕方を実感として捉えさせる。
  • ・リスクに対応するために必要な保険を提案することを通して、保険会社の果たす役割と意義を捉えさせる。
  • ・リスクに関連して社会保険の仕組みを確認させ、「自助」の1つとしての民間保険の大切さを認識させる。

◇学習シート

まとめ 10分

○企業の経済活動が及ぼす社会的影響を知る。

○保険会社の役割と意義を捉える。

☆企業の役割と責任の視点からよい企業を知り、今後の学習への見通しをもつ。

☆「自助」の1つとして民間保険に加入し、治療費や生活費等のリスクをカバーする方法があることなどを知る。

  • ・保険会社の果たす役割と意義を捉えさせる。
  • ・企業の役割と責任を担う企業例として保険会社の役割と意義を理解させる。
  • ・次時以降に、例えば模擬的な企業づくりの学習を行う際の動機付けとするため、「よい企業とは」を振り返らせる。
    その際、例えば次の5点に着目させる。

    1. ①人間に役立つ商品やサービスの創造
    2. ②市場における公正な経済活動の行使
    3. ③消費者、株主や従業員の利益の増進
    4. ④公共の利益の増進への配慮
    5. ⑤企業の将来性

◇学習振り返りシート

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高等学校向け教材

高等学校 公民科の保険教育関連資料

高校生が公民科において社会保障を学ぶ際に、「保険」の仕組みや自助・共助・公助の考え方(民間保険の役割を含む)についても併せて学ぶことができる教材です。同教材を使用した授業作りの参考となる、教員向けのモデル授業・解説動画も用意しています。

授業等でご活用いただける資料ダウンロード

「社会保障制度と保険のキホンについて学ぼう!」

この教材は消費者教育支援センターの「消費者教育教材資料表彰2017」の優秀賞を受賞しました。


消費者教育教材資料表彰2017

当教材は、高等学校の先生や文部科学省・厚生労働省のご意見を伺い作成しています。

2021年4月16日、一部データを更新(統計等を最新化)しました。

社会保障制度と保険のキホンについて学ぼう!

モデル授業・解説動画/活用事例

#当教材を使用した授業作りの参考となる、
教員向けのモデル授業・解説動画(約19分)

教材をどのように活用するかの授業展開例のご紹介

・2018年1月10日 東京都立高島高等学校 大畑方人先生

連絡先(ご意見・ご質問など)

教材をお使いになってのご意見等を下記まで
ご連絡ください。

(一社)生命保険協会 企画部企画グループ
e-mail: education@seiho.or.jp

高等学校の授業展開例

教材「社会保障制度と保険のキホンについて学ぼう!」作成にあたって

宮崎三喜男 主任教諭

東京都立国際高等学校
宮崎三喜男 主任教諭

「社会保障を考えることは、自分の人生を考えることである」。授業を始める際、このように話をしますが、生徒たちはどうもピンとこないようです。高校生にとって社会保障や保険は縁遠く、また未来の話であると考えている傾向にあり、イメージがつかないのも当然でしょう。しかし社会保障や保険なしに人生を語ることはできません。社会保障や保険のことを正しく理解し、そしてどのように自らの人生を送りたいかということを社会保障や保険の視点から考えることが出来る生徒を育てていく必要があります。

本教材は、この2つの視点を学ぶことが出来るように作成しています。授業の導入では「雨の確率が40%のときに傘を持っていくかどうか」という身近な事例を使い、リスクについて考える工夫をしています。次に社会保障制度の中でも大きな割合を占める社会保険をしっかりと理解してもらえるように、「保険の仕組み」についてイラストを作って説明をし、また現在課題となっている社会保障制度の財源にも触れています。そしてワークシートの最後は民間保険の役割を踏まえた上で、自助・共助・公助の最適な組み合わせを考えさせる課題の構成になっています。

ワークシートの最後にある課題は、グループでディスカッションをしたり、ロールプレイを行ったり、レポートを書かせたりと、アクティブラーニングを意識した授業方法を取り入れることをイメージしています。言葉にしたり、文字にすることで、生徒の考え方も整理され、理解が深まることが予想されます。

公民の授業で最も大切なことは「どのような社会をつくっていくのか」を考えることではないでしょうか。本教材のポイントは、社会保障や保険の制度を理解するだけでなく、この「どのような社会をつくっていくのか」や「どのような人生を送りたいのか」ということを主体的に考え、社会に参画する力を育むことができる点にあります。

社会保障制度とは、何かあったときに社会全体で支え合うシステムであることは言うまでもありません。しかし、その前提のもと、社会保障制度を維持するために民間保険などの「自助」、社会保険などの「共助」、租税を財源とする「公助」の最適な組み合わせを考えることは、まさに中央教育審議会において提示された「将来の変化を予測することが困難な時代を前に、現在と未来に向けて、自らの人生をどのように拓いていくことが求められている」力を育むことが出来ます。

マニュアルでお勧めする授業展開例

※右にスクロールしてください

段階 時間 学習内容(○)・学習活動(☆) 指導上の留意点(□)
導入 5分

【1 リスクを考えよう】

明日の天気予報、雨の確率は40%です。あなたは出かけるときに、もし雨が降った場合に濡れないよう傘を持っていきますか?それとも、雨は降らないと思い傘は持っていきませんか?

○上記の質問を通じて、リスクとは何か・リスクに対する備えについて理解した上で、人生には様々なリスクがあり、当該リスクに備える仕組みとして「社会保障制度」があることについて理解する。

☆上記の質問への回答を記入し、どちらの回答にしたか挙手したり、回答を選んだ理由について発表したりする。

□「リスク」とは「望ましくないことが発生する可能性」であることを説明した上で、社会保障制度が「人生の様々なリスクに対して、社会全体で助け合い、支えようとする仕組み」であることを理解させる。

展開1 10分

【2 社会保険と公的扶助】

○社会保障制度の中心となる「社会保険」と社会保障制度の最後のセーフティネットである「公的扶助」の基本的な仕組みについて理解する。

 

【社会保険】

○「社会保険」は「保険」の仕組みを使った制度であること、および、「保険」の仕組みについて理解する。

☆「『保険』の仕組みとは?」の図も確認しながら、学習する。

<発問例>
「保険」とは何でしょうか。また、「保険」がなかったら、
リスクに対する備えはどうしたらいいでしょうか。

【公的扶助】

○「公的扶助」の基本的な仕組みについて理解する。

☆「参考資料【資料2】」も確認しながら、「公的扶助」について学習する。

□本教材活用マニュアルP3【補足②】を参考に、貯蓄と保険の違いを理解させる。

展開2 5分

【3 社会保障制度の財源】

○急速に進む少子高齢化に直面している日本では、社会保障制度の財源問題が課題であり、社会保障制度の持続可能性を確保するためには、自助・共助・公助のそれぞれについて理解し考えていくことが重要であることを理解する。

☆社会保障給付額の推移に関するグラフ等も読み取りながら、学習する。

<発問例>
みなさんがお年寄りになったら、年金はどれくらいもらえる
でしょうか?

□少子高齢化による社会保障制度の財源への影響について理解させる。

□社会保障制度には、「自助」・「共助」・「公助」という考え方があることを理解させる。

展開3 25分

【4 自助と民間保険】

○以下の点について理解する。

  • ・「自助」の手段には様々あり、「自助」の一つの手段である「民間保険」は、「社会保険」と同じ「保険」の仕組みを使っていること
  • ・「社会保険」と「民間保険」の違い
  • ・「民間保険」の種類と役割
  • ・社会保障制度の持続可能性を確保するために、「自助」・「共助」・「公助」を適切に組み合わせていくことも考える必要があること

□「自助」の一つの手段である「民間保険」の仕組み・役割等について理解させる。

□「自助」・「共助」・「公助」を適切に組み合わせていくことの必要性について理解させる。

☆「参考資料【資料3】・【資料4】」も確認しながら、上記「○」の内容について学習する。

<発問例>
民間の保険はどのような役割を果たしているのでしょうか?

課題 皆さんは、持続可能な社会保障制度を形成する上で、「自助」・「共助」・「公助」をどのような割合で組み合わせることが望ましいと思いますか。また、なぜそのような割合が望ましいと考えたのですか。「老後の生活費の準備」をイメージして考えてみましょう。

☆上記の課題について、グループやクラスディスカッションを通じて、意見に相違があることも理解し、自らの意見を積極的に発表する。

<発問例>
どのような考え方が良いか話し合ってみましょう。

□「自助」・「共助」・「公助」をどのような割合で組み合わせることが望ましいか、また、その理由について、「老後の生活の準備」をイメージしながら考えさせる。

□参考情報として、「自助」・「共助」・「公助」の組み合せ方についてのアンケート調査結果を説明する。

まとめ 5分

○将来の社会を創る世代として、持続可能な社会保障制度の在り方について課題意識を持ち続ける必要があることを理解する。

☆授業後に、課題についてのレポートを提出させる。

□社会保障制度は、主権者が身に付けるべき知識の一つであることを理解させる。

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高等学校 公民科【社会保障教育】

厚生労働省

厚生労働省が作成した「社会保障の理念・内容・課題」を
理解するための教材

厚生労働省サイトはこちら

高等学校 家庭科【生活設計・生活保障教育、金融経済教育】

公益財団法人 生命保険文化センター

生命保険文化センターが提供する「生活設計・生活保障」に
関する学校教育用副教材

生命保険文化センターサイトはこちら