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お客さまへ 適切な保険金等のお支払いを確保するために
保険金等の適切なお支払いの確保に向け、生命保険各社および生命保険協会では、お客さまの視点に立った意識改革を進め、ご契約時から保険金等の請求・支払時に至る各段階における態勢整備を行っております。
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1.
行動規範の全面的な見直し
当協会では、生命保険各社およびその役職員が遵守すべき「行動規範」を定めておりますが、生命保険事業の社会的責任・使命を踏まえ、本「行動規範」の全面的な見直しを行い、
(1)お客さま本位の行動
(2)コンプライアンスと高い企業倫理に基づく行動
(3)社会的責任に基づく行動
という3つの行動原則を定めました。
ニュースリリース 行動規範の見直しについて<平成19年6月15日>
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2.
ガイドラインの見直し
当協会では、「商品の提案・提供からお支払いまで」の各段階において、生命保険各社において適切な取扱いがなされるよう、実務上の取扱いや留意点をまとめたガイドライン等を策定しております。
また、保険金等の適切なお支払いの確保に向け、利用者保護の態勢整備を一層推進するためにガイドラインの見直しを行い、生命保険各社の取組みの推進を図っております。
ガイドラインの見直しのポイント
注意喚起情報作成ガイドライン - 「保険金・給付金などの支払いに関する手続き等の留意事項」、「複数の保険金・給付金等の支払事由に該当する可能性がある場合には、その旨」等を注意喚起情報として新たに提供
正しい告知を受けるための対応に関するガイドライン - 適切に保険金等をお支払いするために、正しく告知を受けるための態勢を強化
保険金等の支払いを適切に行うための対応に関するガイドライン - ご契約のしおり、ホームページや保険金等の請求ガイドブック等により、お客さまに保険金等の請求が可能かどうかを判断いただくための情報提供を充実
- ご請求されている保険金等以外にお支払いできる可能性のあるものについて、適切に請求案内を行うための態勢を整備
- 適切な保険金等のお支払いに向け、経営陣の積極的な関与、支払部門と商品開発部門等関連部門の連携強化を推進
さらに、各種ガイドラインに関する生命保険各社の取組事例を収集した上で全社へフィードバックし、好取組事例について各社間での共有化を図っており、これらを通じ、ガイドラインが各社の経営に反映されるよう取組んでおります。
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3.
教育の充実
商品・サービスの提供から保険金等のお支払いに至るまで、お客さまの視点に立った適切な対応を行うことができる職員を育成するため、教育の充実を図っております。
募集人の教育 - 「契約時から請求時まで、お客さまの立場に立った分かりやすい説明を行う」ため、募集人教育を充実
支払査定担当者 - 支払査定担当者の人材育成および査定能力の維持・向上に向け、支払査定担当者に求められる基礎的な知識・判断レベルの修得を図ることを目的に、「生命保険支払専門士試験」を創設
<ご参考:支払専門士試験合格者数>
受験申込者数(人) 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%) 平成23年度 4,573 4,034 3,759 93.2 平成22年度 5,084 4,516 4,262 94.4 平成21年度 4,674 4,253 3,977 93.5 平成20年度 4,553 4,120 3,860 93.7 平成19年度 3,096 2,880 2,762 95.9 合計 - - 18,620 -
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4.
お客さま対応体制の強化
当協会では、苦情・相談対応体制を強化し、「お客さまの声」に対して生命保険各社が真摯に対応するための態勢の整備を進めております。
苦情・相談対応体制の強化 - 生命保険相談所に寄せられた苦情を四半期ごとに整理・分析し、各社の経営層へ直接「ボイス・リポート」として情報を提供
- 特定の苦情が連続して多く改善傾向が見られない場合や、特定の苦情が急増した場合には、代表者等の経営層に対して直接注意喚起や改善勧告を実施
- 「消費者の声」事務局を設置し、消費者の皆様からのご意見・ご要望等を集約・分析し、その結果を生命保険全社で共有し、情報交換する体制を整備
苦情情報等の更なる活用 - 当協会や生命保険各社に寄せられたお客さまの声を更に活用し、お客さまの理解促進を図るとともに、いただいたご意見・苦情等を生命保険事業に一層反映させるため、お客さまから寄せられた苦情、それらに対する生命保険各社の取組み、保険金等のお支払い状況等について、当会や生命保険各社のホームページにて情報開示
裁定審査会の機能強化 - ご契約者等から裁定審査会へ裁定のお申立てがあった場合に、当該保険会社について、原則として裁定手続への参加を義務付け
- 裁定審査会が提示した裁定結果について、保険会社に尊重義務を課し、尊重しない場合の会社名公表を可能化(お客さまが裁定を受け入れるかどうかは任意)
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5.
診断書の標準化・電子化
お支払いが不足していたケースの原因分析を行った結果、診断書の読み間違いや読み落としなど、診断書に起因するものが数多くあったことから、当協会では、再発防止策に向けた取組みの一環として、診断書の標準化・電子化について検討を重ねております。
標準化につきましては、医師の方々にとっての記入のしやすさを確保しつつ、生命保険各社にとっての見落とし・見間違いの防止を図る観点から、診断書様式作成にあたっての留意事項を取り纏めました。
電子化につきましては、保険金等のお支払いに関するインフラ整備を図るべく、当協会では、診断書の電子化ソフトの医療機関への普及を図っております。具体的には、電子化ソフトを開発・保守していただくシステムベンダーを選定の上、ベンダーの電子化ソフトを協会として認定し、当協会及び生命保険各社は認定された各ソフトの医療機関への迅速な普及に向けて支援を行っております。