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平成29年 年頭所感

一般社団法人 生命保険協会

会 長 根岸 秋男

平成29年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

昨年は、6月に英国の国民投票でEU離脱が決まり、11月に米国の大統領選挙でトランプ氏が選出されるといった、今後の世界経済に影響を与える出来事が起こり、国内においてもマイナス金利政策導入によって類を見ない歴史的な低金利環境がもたらされるなど、歴史のターニングポイントとして刻まれるような象徴的な1年であったと思います。

また、金融界においては、フィンテックなどの最先端のIT技術に基づくイノベーティブな取組みを進める動きが加速し、これからのビジネスの在り方について大きな変革を感じさせる1年でもありました。

そうしたなか、日本経済を振り返りますと、政府の経済政策などに支えられ、失業率は過去最低水準まで低下し、実質賃金も改善傾向にあるなど、緩やかながら回復軌道にあり、今年は、経済再生を着実なものとするために、より一層、官民一体となった努力が必要になると認識しております。

生命保険業界は、これまでも私的保障の提供を通じて公的保障を補完するとともに、保険金・給付金の確実なお支払により国民の生活基盤を支えるという生命保険事業の社会的役割を果たしてまいりました。環境が大きく変わりつつあるなか、その役割を一層発揮し、我が国の超高齢社会を支えていくために、創意工夫のもと主体的な取組みを展開する必要があります。

こうした認識のもと、引き続き、昨年7月の就任時所信で申し上げた次の3つの重点取組みを中心に協会活動を推進してまいります。

1つ目は、「高齢者に配慮した取組みの推進-『番号制度の民間利活用』への提言-」です。

生命保険協会では、我が国が超高齢社会を迎えるなか、会員各社の高齢者に配慮した取組みをこれまで後押ししてまいりました。生命保険業界として、引き続き、確実・迅速な手続きや利便性向上等、取組みの更なる高度化を推進してまいります。特に、高齢者の安否・所在把握などについては、社会インフラとして昨年スタートした番号制度を利活用していくことが、その有効策になりうると考えております。そこで、これまでの生命保険業界の高齢者対応の総括を行うとともに、番号制度を利活用できる具体例やお客さまのメリットを整理し、「番号制度の民間利活用」の早期実現に向けた提言を作成・公表するための検討を進めております。既に昨年11月には提言の骨子を公表いたしましたが、今年の1月19日には有識者を交えたシンポジウムを開催のうえ議論を深め、提言の最終的な取りまとめを行い、4月頃に公表したいと考えております。

2つ目は、「生命保険事業に対する理解の普及促進-保険教育の継続推進-」です。

近年、持続可能な社会保障制度の構築に向けて、自助の重要性が高まる一方、若年層の保険加入率は低下傾向にあります。そのような現状をふまえ、次世代へ自助の重要性を伝えるため、文部科学省の中央教育審議会で議論されている学習指導要領改訂について、昨年公表された「審議のまとめ」に対し、意見表明を行いました。今後、厚生労働省と連携し、現役教師の意見を取り入れながら、中学・高校生向けに社会保障に関する教材を作成するほか、教師に対して保険教育に関する情報をワンストップで提供できるポータルサイトを生命保険協会のHPに設けるなど、学校教育現場での保険教育機会の拡充に向けた取組みを引き続き推進してまいります。

3つ目は、「生命保険事業の基盤整備・高度化-消費者志向経営の支援 等-」です。

昨年の金融審議会市場WGでは、「顧客本位の業務運営」について幅広い議論がなされております。生命保険協会の行動規範においても「お客さま本位の行動」を掲げ、これまでも会員各社は様々な取組みを進めてきましたが、今般の議論も踏まえ、PDCAサイクルを回しながら、ベストプラクティスを目指していくことが重要だと考えております。生命保険協会としては、引き続き、こうした会員各社の消費者目線に立った取組みの後押しや昨年の改正保険業法施行を受けた会員各社のお客さま対応のフォローなど、会員各社による「消費者志向経営」を支援していくことをはじめ、生命保険業界が健全に発達していくための基盤整備・高度化に取り組んでまいります。

今年の干支は酉となります。「酉」という文字は、「実る」ことを表し、さらに「とり」は「取り込む」につながることから、商売繁盛にとって縁起の良い年と言われています。平成29年は経済再生に向けた様々な取組みが実を結んで、日本経済が繁盛していく年となり、また、皆様にとっても、運気やお客さまを取り込むことで、実りある年となるよう祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

以 上

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