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平成28年 年頭所感

一般社団法人 生命保険協会

会 長 筒井 義信

平成28年の新春を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

昨年は、TPPの大筋合意など、アベノミクスの着実な進展がみられ、デフレ脱却と経済再生に向けて、緩やかながらも前進していることを実感した一年となりました。また、急速に進む少子高齢化への対応や、持続可能な社会保障制度の構築など、生命保険業界と密接に関わる諸課題について議論が深まったと同時に、新たな政策方針も掲げられ、その解決へ官民挙げて努力することの重要性を再認識した一年でもありました。

このようななか、我々生命保険業界には、国民の皆様に安心をお届けするという社会的使命をしっかりと果たし、そして、全ての人が将来の不安なく、健康で豊かな生活を送ることができる「安心社会」の実現を支えていくことが期待されています。

こうした認識のもと、昨年7月の協会長就任時に申し上げた「3つの取組」を軸に、本年も積極的に活動を進めて参ります。

1つ目は「持続可能な社会保障制度の構築に向けた取組」です。

少子高齢化の進展等に伴い、我が国の社会保障制度はその持続可能性を高めるための見直しを迫られています。見直しの大きな方向性は、社会保障制度全体における公的保障の役割を明確にしたうえで、私的保障が担う役割を高めていくことであり、そのなかでは、一人ひとりが自らの生活設計を立て、必要な準備を事前に行うことが重要となります。生活設計を考えるにあたっては、老齢期の生活の基礎となる私的年金をどのように確実かつ安定的に確保するかが重要な課題であり、必要な年金額の積立てに要する期間も踏まえれば、喫緊の課題でもあります。

また、今後、長寿化の更なる進展が見込まれるなか、長生きリスクへの備えとしての終身給付の機能は特に重要となる一方で、公的年金・私的年金ともに終身給付の機能が低下し続けていることも、課題であります。

これらの課題に対応するためには、公的年金を補完する私的年金に求められる機能として、「終身性」「安定性」「普及可能性」が重要であると考えており、2月には具体的な内容を取り纏め提言して参ります。

2つ目は「自助努力の役割・重要性の理解促進に向けた取組」です。

生命保険業界の担う役割がますます大きくなる一方で、足元では、若年層を中心とした保険加入率が低下するなど、将来への備えが不足することが懸念されています。この課題に対処するためには、社会保障全体における自助努力の役割や、その重要性の理解の促進という面での保険教育について、更なる取組が必要となります。

現在、保険教育の現状と課題について実態調査を進めております。そのなかでは、全国の中学、高校教師の方にアンケートを実施するとともに、実際に授業で「保険」に取り組んでいる教師の方へのヒアリングも実施しており、「学校で保険を教えることの大切さ」について様々なご意見を頂戴しております。そのような声も踏まえ、4月には、「学校教育現場での保険教育機会の拡充」をテーマとした報告書を取り纏めて参ります。また、2月には、「保険教育に関する生命保険業界の取組事例集」も取り纏め、会員各社の自主的かつ積極的な取組を支援して参ります。

3つ目は「生命保険事業の基盤整備に向けた取組」です。

お客様からの信頼を維持し、生命保険業界が健全に発達していくための基盤整備にも継続して取り組んで参ります。国民の皆様が必要とする多様な生活保障の準備を支援・促進するための税制や、国際会計基準や国際的な金融監督・規制のあり方について検討を進め、積極的に意見発信を継続して参ります。また、株式価値向上に向けた要望についても取り纏めていく考えです。

以上の取組を通じ、これまで申し述べました諸課題を一つひとつ着実に前進させることで、「安心社会」の実現に貢献して参りたいと考えております。

今年の干支は申(さる)になります。「申」という文字は、「草木が芽を出し、まっすぐにぐんぐん伸びる」という字義を持っており、また、「去る」と音を同じくすることから、「旧来の事物が去り、新たな時代を迎えるために首を伸ばしている状態」とも言われています。今年一年、我が国経済そして皆様が、現在直面している様々な課題を乗り越え、そして新しい時代を拓く、そういう素晴らしい年となるよう祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

以 上

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